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花形歌舞伎

あ~・・・・今まで数々の演劇(特にミュージカルや猿之助歌舞伎)に足を運んでいましたが、一体あれは何だったのでしょうか。根底から覆されました。
今から数十年前、二度ほど歌舞伎を鑑賞に行きましたが、なにせ若く人生無知で世の見聞など僅かな状況でした。勿論、今現在でも無知ではありますが・・・・・

太鼓の音がなり定式幕が引かれると同時に舞台は絢爛豪華な色彩の日本の美がありました。花道からは眩いばかりの衣装を纏った役者が現れ見得を。

長唄と常磐津の歌詞は殆ど理解できませんし、役者のセリフも三割がたは不明瞭!現代的な口語で喋っているのではないですしマイクで取っている訳ではないので聞き辛いですね。

今回、僕が観た演目は
「夏祭浪速鑑」
元禄年間に泉州堺で起こった舅殺しを題材で侠客が活躍する上方の世話物。全九段のうち舞台で取り上げられているのは三段目、六段目、七段目。
主人公は侠客の団七九郎兵衛。序幕「住吉鳥居前の場」では、団七が牢から出所し、団七をひいきにしてきた老侠客の三婦や女房のお梶が出迎えにくるくだりで、むさい姿の団七が床屋にいってスカッとした格好で登場する見事な演出です。このあと三婦や徳兵衛の女房お辰が侠気を表す「難波三婦内の場」から、眼目の舅殺しとなる大詰「長町裏の場」へと。本水本泥を使った殺しの場は一番の見せ場でリアルで鬼気迫る演技です。

「蜘蛛絲梓弦」
描かれるのは源頼光とその家臣である四天王による大江山の鬼退治と葛城山の土蜘蛛退治を題材にした内もの。御園座で上演されるのは昭和十四年以来、実に七十一年ぶりだそうです。
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舞台は頼光の館。頼光が病で伏しているところへ、どこからともなく童が現れ、寝所へ入ろうとする場面から始まり、これをとがめられて蜘蛛の糸を投げて姿を消し、さらに薬売り、番頭新造、座頭と手をかえ品をかえて登場。常磐津、長唄の掛け合いで舞台上も華やかな変化を見せます。そして最後には隈取りをした蜘蛛の精と頼光との大立廻りとなります。
これは一人の役者が早替わりで何役もこなすそのスピーディーでパワフルな舞台でした。

今公演は歌舞伎の若手役者が中心になっての舞台でしたが、若手でもこれだけの迫力とオーラ!では大御所ともなると果たして・・・・・
今秋には名古屋・御園座に吉例顔見世歌舞伎がかかります何としても足を運びたいものです。
お金貯めなくちゃねぇ~~。
by yonosuke55 | 2010-05-11 11:51 | 観る
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