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人生の特等席

あらら~つ・・・・先回のブログから既に2ヶ月も更新していなかった。
更年期?老化?ともあれ集中力不足です。

集中力散漫ながら今年も適当にブログを更新致しますのでご贔屓のほどよろしくお願いします。

ひと月ほど以前でしょうか敬愛しているクリント・イーストウッド主演の映画「人生の特等席」を観てまいりました。
今回の映画では彼は監督はしていません、あくまでも制作、主演であります。
しかしながら映画はマルパソ・カンパニー(イーストウッドが設立した映画会社)の常連スタッフが集まり一言のセリフも数秒のカットもそして音楽にもイーストウッドエッセンスが漂います。

撮影現場はイーストウッド爺様の命令が飛び交い任せられたスタッフたちは気苦労も多かったのではないかと推測します。
ストーリーが引退まじかの爺様の話なので彼自身も爺様の現代社会と次世代へのイライラを痛感し演技と現実がごちゃ混ぜになっていたかもしれません。

僕としては最近気になるデジタル世代への皮肉が上手に描かれているのが非常に気に入りました。

主役は野球のスカウトマン、球団からも友人、家族(一人娘)からも引退を勧めれてはいるものの田舎町まで出かけて行き頑なに自分の老いと現代社会に反抗している頑固爺様。

球団の若手スカウトマンらはコンピュータを駆使して多くの情報や過去のデータを駆使し時間も経費も掛からなく合理的に新人選手をスカウトし、どれだけ面倒でも自分の足と目で確実な選手を厳選する老スカウトマンを馬鹿にしています。
大都会で働く一人娘は老いた父親の身体を気にかけ絶え間ない親子げんかをしながらも老齢な父の面倒を見ている最中に頻繁に仕事先から携帯電話の電子音が鳴る、暇さえあれば携帯やPCをチェックしている。

映画は心すくエンドになるのであるが、日本での映画批評はイマイチの評価。
確かにストーリー自体は単純で映画としての奇抜さもなく面白味も少なく年末映画の中では非常に地味ではある。しかし、深読みしてこそイーストウッド映画の醍醐味。

まずは邦題が余りにも悪すぎ、原題の 「Trouble with the Curve 」 ならば多少は理解できるような気がしますが・・・・

人生の特等席_b0137846_1627132.jpg

イーストウッド好みは映画上の車にも表れていました。ジャスティン・ティンバーレイクが乗る70年前後のダッジ・チャージャー(?)をはじめインターミディエイト・サイズのアメリカンスポーツカーが控えめに登場します。
この控えめな地味さがイーストウッド映画の骨頂でもありますね。
by yonosuke55 | 2013-01-02 16:39 | 観る
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