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「最後の忠臣蔵」 中日劇場

先月は御園座で松平健さんの「忠臣蔵」を鑑賞し、非常に難解な解釈と構成で僕には到底理解できず、でありましたが、今回、中村梅雀さんが演じる「最後の忠臣蔵」は先回の舞台の続きと言っても良いほどのタイミング。毎月の違った切り口の「忠臣蔵」舞台を鑑賞できてシアワセなのであります。
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今舞台は、池宮彰一郎の小説「最後の忠臣蔵」討ち入り後の物語なのであります。
大石内蔵介から寺坂吉右衛門(中村梅雀)は討ち入りの状況や浪士たちの働きぶりを正確に伝える使命を仰せつかり諸国を旅するのでありますが、討ち入りの場からひとり逃げ出した吉右衛門は臆病者と誹られ世間の誤解や政争に翻弄され続ける過酷な日々を送る。

劇中の寺坂吉右衛門が凄いのか中村梅雀さんの演技が上手いのか、否、両者の息がぴったり故におよそ三時間の上演も瞬く間に終わり、何度感動の涙が溢れたか・・・・

足軽の寺坂吉右衛門の赤穂藩への忠義と献身は彼の人徳となり周りから慕われ劇中最後には感動の幕となります。武士道の根幹である「仁」を基とした五徳は現代日本人の生活では皆無な様ですが、やはり日本人として身体の中に流れる血によって気づかされるのか、彼の陰徳を観ていると感動します。

「徳」とは果たしてどのように求めるのでしょうか?
紀元前三百年、ギリシャにおいてソクラテスとプラトンが「徳」について語ります、孔子は論語の中に「徳と仁」について何度も書いていますがそれらの定義については明確な回答はありません。
キリスト教では新約聖書・コリント人..第一の手紙・13章に「信仰と希望と愛と、この三つである。このうちで最も大いなるものは愛である。」と書かれています。

形なき定義もないものをどのように目的にし生きていくのか僕にはサッパリ判らない毎日なのであります。
by yonosuke55 | 2010-10-25 14:38 | 観る
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